愛知県の医療施設で働く医師数は東京都、大阪府、神奈川県に次ぐ4位と非常に多いのですが、人口10万人あたりの医師数を見てみると全国で36位とかなり少なくなっています。これだけ医師数が多いのに全体で見ると不足している原因としては、特定の地域や診療科に医師が偏在していることが挙げられます。
特に愛知県においては、産婦人科医と小児科医の減少が大きな問題となっています。小児科医に関しては、一定の規模を有する特定の病院に配置する「選択と集中」が起きており、中小規模の病院まで十分に医師が行き渡っていないのが現状です。医師不足から診療制限を行っている病院もあり、エリアによっては満足のいく診療が受けられていません。これからの将来を担っていく子どもに関わる産婦人科と小児科が不足しているのは由々しき事態です。早いうちに改善しなくてはいけません。
ただ、医師不足の問題は医師の養成数や臨床研修、診療報酬などの制度も大きく関わっています。これらの中には制度を設計している国でなければ解決できない問題もあるため、抜本的な対策も求められています。そこで国としては医師の養成数を増やすために医学部の入学定員を大幅に引き上げたのですが、それでも愛知県の医師不足における診療制限はなかなか改善されません。本当に医師不足を解消するのであれば、増加した大学医学部の定員維持と共に病院勤務の医師が増えるようなその後の養成方法についても見直す必要があるでしょう。
これらの動きと並行して、少しでも多くの現役医師を愛知県に呼び込むための環境整備も行っています。地方部であればあるほど年収は高くなりますし、医療水準が高いため他ではできない先進医療などに取り組む病院も増えています。実際の愛知県の医師求人を見てみると、他の大都市と比べて条件のいい医師求人ばかりです。ちなみにこういったサイトは会員登録をすることで非公開求人が見られるようになっています。非公開求人には、より魅力的な条件をそろえていることがほとんどです。中部地方における中核都市としての役割もある愛知県。だからこそ、医療サービスの拡充に関しては早急な対応が望まれます。